会社員のまま個人事業主になれる?始め方と注意点を実体験で解説

会社員キャリア戦略

「会社員のまま個人事業主になれるって聞いたけど、本当にできるの?」 「興味はあるけど、会社にどう伝えればいいか分からない……」 「そもそも、メリットってそんなにあるの?」

その気持ち、痛いほど分かります。

僕自身、上場企業に20年勤めながら副業を始め、現在は年間売上600〜800万円の個人事業主でもあります。最初は動画編集で時給150円の世界からのスタートでした。

この記事では、会社員のまま個人事業主になる方法・メリット・デメリット・経費の使い方まで、すべて実体験ベースで解説します。

「そろそろ副業を始めたいけど、何からやればいいか分からない」——そんなあなたの第一歩に繋がれば嬉しいです。


 

  1. 1. 会社員のまま個人事業主になれるって本当?よくある3つの誤解
    1. 誤解①「会社員は個人事業主になれない」
    2. 誤解②「開業届を出すと会社にバレる」
    3. 誤解③「副業禁止の会社では絶対にダメ」
  2. 2. 会社員のまま個人事業主になるメリット5つ
    1. メリット①:社会保険料を増やさずに節税できる
    2. メリット②:生活費の一部を経費にできる
    3. メリット③:会社の安定収入を維持できる
    4. メリット④:本業のスキルを副業に活かせる(逆も然り)
    5. メリット⑤:キャリアの選択肢が広がる
  3. 3. 個人事業主になるデメリット・注意点
    1. デメリット①:確定申告が必要になる
    2. デメリット②:時間の管理がシビアになる
    3. デメリット③:失業給付に影響する可能性がある
    4. デメリット④:会社が「許可制」の場合、申請に工夫が必要
  4. 4. 開業届の出し方を3ステップで解説
    1. ステップ①:開業届を準備する
    2. ステップ②:青色申告承認申請書も一緒に出す
    3. ステップ③:税務署に提出する
  5. 5. 会社員×個人事業主で経費にできるもの一覧
    1. 経費にできるもの
    2. 経費にできないもの
  6. 6. 40代会社員が副業に選ぶなら?実体験から分かったおすすめとNG
    1. 40代会社員にはおすすめしづらい副業
    2. じゃあ、何を選べばいいのか?
    3. 【体験談】動画編集で時給150円→年収800万円の個人事業主になるまで
      1. きっかけ:単身赴任×ミッドライフクライシス
      2. 動画編集時代:100時間で1万5,000円の洗礼
      3. 転機:「売上に近い仕事」に気づいた瞬間
      4. 66万円の自己投資が人生を変えた
      5. さらにUTAGE、IT導入補助金へ
      6. 収入推移(リアルな数字)
  7. 7. よくある質問(FAQ)
  8. 8. まとめ|会社員×個人事業主は「最強のハイブリッド」

1. 会社員のまま個人事業主になれるって本当?よくある3つの誤解

まず最初に、よくある誤解から解消しましょう。

僕自身、副業を始める前に「本当に大丈夫なのか?」と何度も調べました。そして分かったのは、多くの人が勘違いしているということ。

誤解①「会社員は個人事業主になれない」

結論:なれます。

会社員と個人事業主は「雇用契約」と「個人の事業」で、まったく別の話です。法律上、会社員が個人事業主になることを禁止する規定はありません。

「個人事業主=脱サラして独立する人」というイメージがあるかもしれませんが、実際には会社員のまま個人事業主になっている人はたくさんいます。僕もそのひとりです。

誤解②「開業届を出すと会社にバレる」

結論:開業届だけではバレません。

開業届は税務署に出すものであり、会社に通知が行く仕組みはありません。 会社に知らせずに副業している方が気にすべきは、住民税の徴収方法です。「特別徴収」(会社が天引きする方法)のままだと、住民税の金額が変わって経理担当に「あれ?」と気づかれる可能性があります。これを防ぐ方法は、確定申告の際に住民税を**「普通徴収(自分で納付)」**にチェックするだけ。

僕自身は正式に会社に届出を出しているのでバレるもバレないもないんですが、僕の周りの副業仲間はみんなこの「普通徴収」の方法でやっています。実際にこれでバレたという話は聞いたことがありません。

誤解③「副業禁止の会社では絶対にダメ」

結論:就業規則を確認しましょう。ダメとは限りません。

「副業禁止」と思ってたけど、就業規則をよく読むと「届出制」や「許可制」だったりするケースもよくあります。僕の会社もそうでした。就業規則上は「届出制」。ただ、周りに副業をやっている人がほとんどいなかったので、申請には相当な不安がありました。その話は後ほど体験談のところで詳しくお話しします。

2018年に厚生労働省が「副業・兼業の促進に関するガイドライン」を発表して以降、多くの企業が副業を容認する方向に動いています。まずは一度、自社の就業規則を読んでみてください。

2. 会社員のまま個人事業主になるメリット5つ

ここからは、僕が4年間「会社員×副業」を実際にやって感じたメリットを5つ紹介します。ネットで調べると「制度上のメリット」はたくさん出てきますが、実際にやってみてどうだったかを体験ベースで語れる記事は少ないので、ここではリアルな話をします。

メリット①:社会保険料を増やさずに節税できる

これが最大のメリットだと断言します。

まず、会社員の社会保険料(健康保険・厚生年金)は、勤務先から支払われる「報酬」に基づいて決定されます。日本年金機構の規定によれば、保険料の算出根拠は以下のように定義されています。

「標準報酬月額は、被保険者が事業主から受ける報酬に基づき決定されます」 —— 日本年金機構「厚生年金保険の保険料」より引用

この「事業主から受ける報酬」という定義が重要です。個人事業での収入は「自ら稼いだ事業所得」であり、会社から受ける報酬ではないため、副業収入がどれだけ増えても社会保険料の負担は1円も増えないのです。

一方で、副業収入は「事業所得」として確定申告を行い、「青色申告特別控除」を活用するのが賢い選択です。

「不動産所得又は事業所得を生ずべき業務を営んでいる者が(中略)最高65万円の控除を受けることができます」 —— 国税庁「No.2072 青色申告特別控除」より引用

この最大65万円の控除を適用することで、所得税はもちろん、それに連動する住民税も大幅に減らすことが可能です。「社会保険料は据え置き、税金だけをコントロールする」。このスキームこそが、会社員が副業を事業として取り組むべき最大の理由です。

項目 会社員のみ 会社員+個人事業主
社会保険料 給与に応じて発生 変わらない(増えない)
所得税 給与所得控除のみ 青色申告特別控除(最大65万円)追加
住民税 給与から天引き 副業分は「普通徴収」で自分で納付
経費 使えない 事業に関連する支出を経費にできる

正直に言うと、僕も最初は「節税とか、大した額じゃないでしょ?」と舐めてました。でも実際に計算してみたら、年間で数十万円単位で手取りが変わることが分かって、目が覚めました。

メリット②:生活費の一部を経費にできる

これ、多くの人が「本当にそこまでできるの?」と疑っているポイントですよね。 結論から言うと、事業に関連する支出であれば経費にできます。

たとえば僕の場合:

  • 自宅の家賃の一部(事業用スペースとして按分)
  • インターネット回線(事業利用分を按分)
  • スマホ代(事業利用分を按分)
  • パソコン・モニター等の機器
  • 書籍代(ビジネス関連)
  • セミナー参加費・オンライン講座
  • カフェでの作業代(会議費)

これらを経費として計上すると、課税所得が下がる=税金が減る=手取りが増えるという仕組みです。

「家賃の一部が経費になる」って、冷静に考えるとすごいことじゃないですか? 会社員のまま、家賃の負担が実質的に軽くなるわけです。

ちなみに僕は副業を始めてから、自己投資として合計130万円以上を講座やコンサルに使っていますが、これもすべて経費。この「自己投資が経費になる」という仕組みが、副業のスキルアップと節税を同時に実現してくれています。

メリット③:会社の安定収入を維持できる

ここで正直に言います。「脱サラ」は僕のスタイルではありません。 副業系の情報を調べると「独立しよう!」「脱サラが最強!」とか出てきますが、僕は会社員であることの恩恵をちゃんと理解した上で、副業で選択肢を広げる「本業ブースト」の生き方を選んでいます。

会社員であるメリットをあらためて整理すると:

  • 毎月安定した給与がある(精神的な安心感)
  • 社会保険料を会社が半分負担してくれる
  • 厚生年金は国民年金より手厚い
  • 雇用保険(失業給付)の対象になる
  • 会社の信用で住宅ローン等が組みやすい

副業の初期は、100時間かけて1万5,000円しか稼げないような時期がありました。もしあの時期に脱サラしていたら、確実に生活が破綻していたと思います。**会社員の安定があったからこそ、焦らずに副業のスキルを磨けた。**これは本当に大きかったです。

メリット④:本業のスキルを副業に活かせる(逆も然り)

副業って「本業とは全然違うことをやるもの」だと思っていませんか?

僕は上場企業で20年以上、新規事業開発をやってきました。その中で培ったプロジェクトマネジメント、戦略設計、データ分析——最初はこれらのスキルが副業に活きている実感がありませんでした。 転機になったのは、LINEマーケティングを学んだ時です。 LINEでは「どこで読者が離脱したか」「どこで開封したか」「どこでリンクをタップしたか」のデータが全部取れる。

それを見ながら売上を上げるための戦略を練る——ここで初めて、本業20年で培った新規事業開発・データ分析のスキルが、副業と完全にリンクしたんです。 「これ、本業でずっとやってきたことと一緒じゃないか」 この気づきが、僕の副業人生を一変させました。

そして逆に、副業でAIを使い倒した経験を活かして、本業でもGPTs(カスタムAI)を開発したら、社内メンバーから「これ、すごい使える!」と驚かれました。 本業と副業が「掛け算」になる——これが会社員×個人事業主の隠れた最大メリットです。

メリット⑤:キャリアの選択肢が広がる

40代・50代になると、 「転職しようにも年齢的に厳しい」 「でもこのまま定年まで今の会社で……?」 というモヤモヤを感じる人は多いはずです。僕もそうでした。

単身赴任先の岡山で、一人で考え込んでいた時期があります。でも、副業を始めたことで、人生の選択肢が圧倒的に増えたと感じています。

  • 会社に何かあっても、副業の収入がある
  • いざとなれば、副業をメインにシフトできる
  • 「会社に依存する」から「会社と対等に付き合う」にマインドが変わった

この最後の一つが、地味だけど一番大きな変化でした。 「辞められない」じゃなくて「辞めないことを選んでいる」——この意識の違いは、日々の仕事のストレスを驚くほど軽くしてくれます。

3. 個人事業主になるデメリット・注意点

メリットだけ語るのはフェアじゃないので、デメリットも正直にお伝えします。

デメリット①:確定申告が必要になる

会社員だけなら年末調整で済みますが、個人事業主になると毎年2月16日〜3月15日の間に確定申告が必要です。正直、これが一番ハードルが高いと感じる人が多いでしょう。

クラウド会計ソフト(freee、マネーフォワードなど)を使えば、日々の帳簿付けや書類作成の手間は大幅に減らせます。領収書の仕分けや入力作業の時間は、一般的に月1〜2時間程度まで短縮できるでしょう。

ただし、正直に言うと、ソフトを入れれば「全自動」で完結するかというと、そこまで甘くはないです。按分の計算や、経費として計上していいかの判断、青色申告の帳簿の正確性など、自力では迷う場面が必ず出てきます。 僕自身、1回目は税理士に相談しつつ自分で申告しましたが、2回目以降は税理士にお願いしています。税務のやりくりは専門家に任せた方が、結果的に節税効果も高いし、何より安心です。

「税理士に頼む」というとお金がかかりそうですが、年間の顧問料は副業の規模にもよりますが年10〜15万円程度が相場。そしてこの税理士報酬自体も経費になります(笑)。節税で浮くお金の方が大きいケースも多いので、投資だと思って検討する価値はあります。

デメリット②:時間の管理がシビアになる

本業+副業なので、時間の使い方は自分で設計する必要があります。

僕の場合、平日夜に2~3時間、休日に6〜8時間を副業に充てています。「昼は本業、夜は副業」のリズムを作るまでに2〜3ヶ月かかりました。

特に副業初期、動画編集をやっていた頃は「100時間かけて1案件」みたいな世界だったので、本当に時間との戦いでした。あの経験があるからこそ、「どの副業を選ぶかで、時間効率は天と地ほど変わる」ということを身をもって知っています。

大事なのは、完璧を目指さないこと。毎日やらなくてもいい。疲れた日はサボってもいい。大事なのは**「続けられる仕組み」**を作ること。

デメリット③:失業給付に影響する可能性がある

開業届を出して「個人事業主」としての活動がある場合、万が一会社を辞めた際に雇用保険の失業給付(いわゆる失業保険)を受けられない可能性があります。失業給付は「就職する意思と能力があり、積極的に求職活動を行っている状態」の人が対象です。個人事業主として事業をしていると「もう仕事あるでしょ」と判断されてしまうケースがあるんですね。

注意すべきポイントをまとめると:

  • 会社員時代の雇用保険の基本手当の受給期間は、原則「離職日の翌日から1年間」
  • 離職後に事業を開始した場合、「事業開始等による受給期間の特例」 を申請することで、事業を行っている期間(最大3年間)は受給期間に算入されない=受給期間を最大4年間に延長できる
  • 申請期限は 「事業を開始した日等の翌日から2ヶ月以内」 に、住所地を管轄するハローワークへの届出が必要
  • この特例は2022年7月1日に施行された比較的新しい制度

📌 出典: 厚生労働省「事業開始等による受給期間の特例」 ※詳しい要件や必要書類はハローワークにお問い合わせください。

つまり、「とりあえず廃業届を出せばOK」というほど単純ではないのが実態です。事前の申請手続きを忘れると特例が適用されないため、開業届を出す時点でこの制度を知っておくことが重要です。

ただ、正直なところ、会社員×個人事業主のハイブリッドで働いている限り、失業給付のことは「万が一のリスク」として知っておけば十分。副業で「会社に依存しない収入源」を持つこと自体が、最大のリスクヘッジだと僕は考えています。

デメリット④:会社が「許可制」の場合、申請に工夫が必要

就業規則が「届出制」なら報告するだけですが、「許可制」の場合は会社にメリットを感じてもらう申請が必要です。

僕の体験をお伝えすると—— 副業売上が年間20万円を超えそうになったタイミングで、課長に「副業をやり始めたんですけど」と切り出しました。 ところが、課長も「副業の相談は初めて」。課長の上司も初めて。周りで副業をやっている人がほとんどいなくて、全員が前例のない対応だったんです。 当然、「いいよ」と一言で通るわけもなく、1から丁寧に説明していく必要がありました。

幸い、僕の課長は一緒に考えてくれるタイプで、「こういう風に申請した方がいいんじゃないの?」と書き方まで一緒に練ってくれました。これは本当に恵まれていたと思います。

この経験から言えるのは、申請時に大事なのは**「副業が会社にもメリットがある」と伝えること**です。

会社にとってのメリット 具体例
社員のスキルアップ 副業で得たマーケティング知識・AI活用スキルが本業に還元される
社員のモチベーション向上 自律的なキャリア形成により、本業への意欲も高まる
人材流出防止 副業を許可することで「この会社で働き続けたい」と思える
外部ネットワークの拡大 異業種との接点から新規事業のヒントが生まれる

実際、僕は副業でAIを活用した知見を本業のGPTs開発に還元しています。「副業は本業の敵ではなく、味方になる」——この姿勢が、前例のない中でも申請を通せた最大の理由だと思います。

4. 開業届の出し方を3ステップで解説

「開業届」と聞くと難しそうですが、実際はびっくりするほど簡単です。 僕は初めて出した時、「え、これだけ?」と拍子抜けしました。

ステップ①:開業届を準備する

開業届(正式名称:個人事業の開業・廃業等届出書)は、国税庁のホームページからPDFをダウンロードできます。 または、freeeやマネーフォワード等の会計ソフトで無料作成することもできます。「開業freee」などのサービスでは、質問に答えるだけで書類が自動で完成するので、5分で終わります。

ステップ②:青色申告承認申請書も一緒に出す

開業届と一緒に、「所得税の青色申告承認申請書」 も提出しましょう。これを出しておくことで、確定申告時に青色申告特別控除(最大65万円) が使えるようになります。出さないと「白色申告」になり、控除額が10万円にしかなりません。

65万円 vs 10万円——どちらがお得かは明白ですよね。 提出期限は「開業日から2ヶ月以内」なので、開業届と同時に出すのがベストです。

ステップ③:税務署に提出する

書類ができたら、自宅の住所を管轄する税務署に提出します。

提出方法は3つ:

方法 手軽さ 備考
税務署の窓口に持参 ★★★ その場で受付完了。控えに受付印がもらえる
郵送 ★★☆ 返信用封筒(切手付き)を同封すれば控えを返送してもらえる
e-Tax(オンライン) ★★★ マイナンバーカードがあれば自宅から完結

僕は窓口に持っていきましたが、待ち時間を含めても30分で完了しました。 ここで重要なポイント。**開業届の「控え」は必ず保管しておいてください。**銀行口座の開設やクレジットカードの審査で必要になることがあります。

ちなみに僕は副業を始めて2年後に開業届を出しました。法律上は「事業の開始等の日から1ヶ月以内」が期限ですが、遅れてもペナルティはないので、焦る必要はありません。

5. 会社員×個人事業主で経費にできるもの一覧

「何が経費になるのか?」これは副業を始める人が最も知りたいことのひとつですよね。 ここでは、僕が実際に経費として計上しているものを一覧でお見せします。

経費にできるもの

経費科目 具体例 ポイント
地代家賃 自宅の家賃(事業に使うスペース分を按分) 全体の面積に対する事業用面積の割合で計算
通信費 インターネット回線、スマホ代 事業利用割合で按分。50%が目安
水道光熱費 電気代 事業用スペースの比率で按分
消耗品費 文房具、プリンター用紙、USBメモリ等 10万円未満のものは一括で経費にできる
減価償却費 パソコン、モニター、デスク、チェア 10万円以上のものは数年に分けて計上
新聞図書費 ビジネス書、専門書、有料メルマガ 事業に関連する内容であればOK
研修費 セミナー参加費、オンライン講座、コンサル費 事業に関連するスキルアップが目的
旅費交通費 打ち合わせの交通費、出張費 事業目的であること
接待交際費 クライアントとの会食 「誰と」「何の目的で」を記録しておく
会議費 カフェでの作業代(コーヒー代等) 1人の場合は「作業場の利用」として
広告宣伝費 Web広告、名刺作成費 事業のPR目的
支払手数料 クラウド会計ソフト月額、銀行振込手数料 事業に必要な手数料
支払報酬 税理士への顧問料 事業の税務を依頼している場合

僕の場合、副業のスキルアップのために合計130万円以上を講座やコンサルに投資していますが、これもすべて「研修費」として経費になっています。自己投資しながら節税できるのは、個人事業主の大きな強みです。

経費にできないもの

NG項目 理由
生活用の食費・日用品 事業と無関係
プライベートの旅行費 事業目的ではない
スーツ代(本業用) 本業の費用は給与所得の範囲
住民税・所得税 税金そのものは経費にならない
罰金・反則金 法律上、経費として認められない

ポイントは「事業との関連性を合理的に説明できるかどうか」です。 ここは自己判断が不安であれば、税理士への相談をおすすめします。僕自身、1回目の確定申告は税理士に相談しつつ自分でやりましたが、2回目以降は完全に税理士にお任せしています。 税理士に頼むと結果的に節税の精度も上がるので、「コスト」ではなく「投資」だと考えた方がいいですよ。

6. 40代会社員が副業に選ぶなら?実体験から分かったおすすめとNG

ここからは、僕が4年間で動画編集→台本制作→SNS運用→LINEマーケティング→セールスファネル構築代行と、5つの副業を渡り歩いた実体験から、40代会社員が副業を選ぶ上で本当に大事なことをお伝えします。

40代会社員にはおすすめしづらい副業

まず、正直に言います。僕が最初に選んだ「動画編集」は、40代以降の会社員にはおすすめしません。

▼ 動画編集 僕の実体験です。

  • 高スペックのパソコンが必要(実際に買いました)
  • 有料の編集ソフト(Adobe Premiere Pro等)が必須(月額3,000円〜)
  • オンラインサロンの月額費用も毎月かかる
  • 初案件:100時間かけて報酬1万5,000円(時給150円)
  • ショート動画に転向しても月5万円程度(時給1,000円いくかどうか)
  • 動画編集ソフトの操作には慣れたが、ビジネスマンとして使えるスキルは身につかなかった

結局、動画編集は「言われた通りに作る」作業者の仕事になりがちです。20年のビジネス経験を持つ40代が、時給150円で消耗する必要はないと今では思います。 ただし、将来的に「動画マーケティング」をやりたいのであれば、期間限定で修行するのはアリです。動画の構造を理解した上でマーケティング全体を設計する——そこまで行けるなら価値はあります。

▼ SNS運用代行 これも僕が実際にやっていた仕事です。動画編集も台本制作もSNS運用も、やってみて気づいたのは、これらはすべて「売上に直結しない」仕事だということ。 成果が「再生回数が上がった」「フォロワーが何人になった」止まりなんです。マネタイズ(お金を生む)からは遠い場所にいるので、仕事の対価も上がりにくい。ただし、SNSマーケティング全体の戦略設計ができるレベルなら話は別。「運用代行」ではなく「マーケティング支援」として提案すれば、高単価な仕事になります。

じゃあ、何を選べばいいのか?

僕の4年間の結論はシンプルです。 「売上に近いフェーズの仕事」を選ぶこと。

売上からの距離 仕事の例 僕の実体験
遠い 動画編集、SNS運用代行 月5万円が限界。作業者化
中間 台本制作、ライティング 単価は上がるが天井あり
近い LINEマーケ、ファネル構築、コンサル 月収が一気に跳ねた

僕の場合、LINEマーケティングを学んだ瞬間に世界が変わりました。 セミナーや個別相談への導線を設計し、データを見ながら改善する。これは本業の新規事業開発でやってきたことと同じ。20年のスキルが活きる場所に辿り着いたら、1ヶ月半で20万円の案件が取れました。

さらに、パソコン1台あればどこでもできる仕事を選べば、平日夜も休日も柔軟に時間を使えます。カフェでも自宅でも旅先でも——いわゆる「デジタルノマド」的な働き方も目指せます。

40代・50代の会社員が副業で選ぶべきは、「本業の経験が活かせて、売上に近くて、場所を選ばない仕事」 です。


【体験談】動画編集で時給150円→年収800万円の個人事業主になるまで

ここからは、僕の副業4年間のストーリーを包み隠さずお話しします。

きっかけ:単身赴任×ミッドライフクライシス

4年前、関東から岡山に単身赴任で転勤になりました。一人で過ごす土日。ぼんやりとニュースを見て、昼寝して、また月曜が来る。その繰り返しの中で、ふとこんな不安が頭をよぎるようになりました。

「この先、自分の人生はどうなっていくんだろう」

ミッドライフクライシスという言葉を知ったのもこの頃です。40代特有の「今のままでいいのか?」というモヤモヤ。同期より出世が遅れている焦り。転職は年齢的に難しい現実。

「このまま土日をぶらぶらしてるのは、時間がもったいない」 お金を稼いでやろう!というよりも、変わらない毎日から抜け出したい、もっと広い世界を見たい——それが最初の気持ちでした。

ただ、そう思ったからといって、すぐに行動したわけでもありません。 会社の副業制度は前から知っていたけど、動かなかった。 単身赴任で考える時間は増えたけど、動かなかった。

きっかけは、インスタの広告でした。 「40代からでも副業始められる」——そんな動画編集セミナーの広告をたまたま見て、暇だったので参加してみた。それが、すべての始まりでした。

動画編集時代:100時間で1万5,000円の洗礼

セミナーで「副業って面白そうだ」と思った僕は、動画編集のオンラインサロン(月額約3,000円)に入会しました。本格的なスクールは費用的に怖かったので、まずは安いところから。

動画編集を1から学び、1ヶ月後に初めての案件を獲得。 ところが——約100時間かけて編集して、報酬は1万5,000円でした。 時給換算すると、約150円。コンビニでバイトした方がはるかに稼げます(笑)。

正直、1発目で完全に疲弊しました。「もう1回案件受けるの厳しいな」と思ったほどです。 その後ショート動画の編集に転向し、台本制作も学んで単価を上げる努力をしましたが、それでも月5万円がやっと。時給にすると1,000円行くかどうか。

高いパソコンも買った。毎月のオンラインサロン費も払っている。 でも、それを回収できるほどの収入には程遠い。 「これ、本当に大丈夫なのか……?」副業初期は、その繰り返しでした。

転機:「売上に近い仕事」に気づいた瞬間

動画編集→台本制作→SNS運用代行と、少しずつレベルを上げていく中で、あることに気づきました。僕がやっている仕事は、どれも「売上に直結しない」ものばかりだ、と。

動画の再生回数が数万回〜30万回を超えることもありました。でも、それがクライアントのマネタイズに繋がっているかというと、そこには大きな溝がある。 「再生回数が上がりました!」 「フォロワーが何人になりました!」 ——そこ止まり。 だから仕事の対価も上がらないんだ。ようやく構造が見えました。

そこで出会ったのが、LINEマーケティングです。 LINEは、SNSで集めた見込み客を、セミナーや個別相談に誘導し、売上に繋げるための「マネタイズに最も近い」ツール。ここを押さえることが、ビジネスの根幹だと気づきました。

66万円の自己投資が人生を変えた

LINEマーケティングのコンサルに投資した金額は、66万円。それまでの自己投資(オンラインサロン3,000円、SNS講座16万円、ライティング講座5万円)と比べて、桁が違う金額でした。正直、めちゃくちゃ怖かった。

でも、これが人生を変えました。

LINEマーケティングを学ぶことで、ダイレクトレスポンスマーケティング(DRM)の考え方が身についた。「どこで離脱しているか」「何がボトルネックか」をデータで見ながら、売上を上げるための戦略を設計する。

「これ、本業でずっとやってきた新規事業開発と同じじゃないか!」 20年間、製品開発でデータを蓄積してアクションを考えてきた——あのスキルが、ここで完全にリンクしたんです。

投資してわずか1ヶ月半で、初の20万円の案件を獲得しました。 それまで1年以上かけて月5万円が限界だった人間が、たった1.5ヶ月で20万円です。 「売上に近い仕事を選ぶ」ことの威力を、身をもって知った瞬間でした。

さらにUTAGE、IT導入補助金へ

LINEだけでなく、LP→メルマガ→LINE→セミナーページ→個別相談→決済→会員サイトまで、セールスファネル全体を1つのツールで構築できる「UTAGE」に出会い、40万円を投資して構築代行者になりました。

ここからさらに収入が上がり、25万円の案件を獲得。10万円以上の案件がポロポロ来るようになりました。 現在はIT導入補助金のベンダーとしても活動し、パートナーさんと連携して採択率100%(全国平均50%以下)を達成。1案件で150万〜260万円の世界です。

さらに、構築代行だけでなくUTAGE構築者を育てる養成講座の講師や、ストアカでのマンツーマン指導も行っています。恋愛コンサルタント、税理士、士業、オンライン事業者……クライアントは本当に多種多様です。

収入推移(リアルな数字)

時期 月収(副業) やっていたこと
初月 約1万円 動画編集。100時間かけて1.5万円
半年後 約5万円 ショート動画編集+台本制作
1年後 約5万円 SNS運用代行。ここで停滞
1年〜2年 月10〜20万円 LINEマーケ→UTAGE構築代行
現在(4年目) 月50万円以上 IT導入補助金活用。年間600〜800万円

月10万円を超えた時が、最初の「景色が変わった」瞬間でした。 本業の収入+10万円。それだけで「いろんなものが買える、食べられる」という実感がある。20万→30万と増えるたびに、見える景色がさらに変わっていく。

この感覚は、やった人にしか分からない。そして、やれば必ず分かります。

7. よくある質問(FAQ)

Q1. 副業で月いくらから確定申告が必要? A. 副業の所得(収入−経費)が年間20万円を超えた場合、確定申告が必要です。 ただし注意。「20万円以下なら申告不要」は所得税に限った話です。住民税は金額に関係なく申告が必要なので、お住まいの市区町村に確認してください。

Q2. 開業届を出すタイミングは? A. 焦る必要はありませんが、売上が安定してきたら出しましょう。 法律上は「事業の開始等の日から1ヶ月以内」が提出期限です。ただし、遅れてもペナルティはありません。僕自身も副業を始めて2年後、売上が年間20万円を超えそうになったタイミングで出しました。 大事なのは、青色申告承認申請書と一緒に出すこと。青色申告の申請期限は「開業日から2ヶ月以内」です。

Q3. 副業の種類は何がおすすめ? A. 「本業のスキルが活かせる」×「売上に近い」×「パソコン1台でできる」仕事です。 僕は4年間で動画編集→SNS運用→LINEマーケ→UTAGE構築代行と、5つの副業を経験しました。その中で分かったのは、売上に近いフェーズの仕事を選ぶことが最も大事だということ。

本業の経験 活かせる副業(売上に近いもの)
営業経験 コンサルティング、Webマーケティング支援
エンジニア ツール開発、AI活用支援
経理・財務 中小企業の経理サポート
マネジメント経験 プロジェクトマネジメント代行、業務改善コンサル

Q4. 本業に支障が出ないか心配です A. 時間の「設計」がすべてです。 僕の実体験として、平日夜に2~3時間、休日に6〜8時間のペースで副業をしていますが、本業のパフォーマンスは落ちていません。 むしろ、副業で学んだスキル(AI活用など)が本業に活きて、評価が上がったくらいです。実際、副業始めた後、管理職に昇進しました。

Q5. 自己投資はどのくらい必要? A. 僕は4年間で合計130万円以上を投資しました。 最初は月額3,000円のオンラインサロンから始めて、最終的には66万円のコンサルに投資しています。 大事なのは「金額の大きさ」ではなく「売上に近い領域に投資すること」です。16万円のSNS講座より、66万円のLINEマーケコンサルの方が、はるかに早く回収できました。 自己投資はすべて経費になるので、学びながら節税できるのも個人事業主の強みです。


8. まとめ|会社員×個人事業主は「最強のハイブリッド」

この記事のポイントをまとめます。

  • 会社員のまま個人事業主になるのは法律上まったく問題ない
  • 社会保険料を増やさずに、青色申告特別控除(最大65万円)で節税できる
  • 自宅家賃・通信費・書籍代・自己投資など、生活費の一部を経費にできる
  • 開業届は3ステップで完了。書類作成は5分で終わる
  • 副業は「本業のスキル × 売上に近い仕事 × パソコン1台」で選ぶ
  • 会社への申請は「本業に還元するメリット」を伝えることで道が開ける
  • 最初は時給150円でも、正しい場所に投資すれば年収800万円の世界まで行ける

4年前、岡山の単身赴任先で「このままでいいのか」とモヤモヤしていた僕が、今では年間600〜800万円を稼ぐ個人事業主になりました。

決して順風満帆ではなかったです。動画編集で疲弊して、月5万円の壁を越えられなくて、「自分の仕事に価値はあるのか?」と何度も自問自答しました。でも、選ぶ場所を変え、正しい自己投資をした瞬間に、景色は一変しました。

大切なのは、完璧を目指すことではなく、まず始めること。そして、始めた後に「自分のスキルが活きる場所はどこか」を考え続けることです。 会社員の安定を「守り」に、個人事業主の活動を「攻め」に。

あなたは、どちらの生き方を選びますか?


この記事は筆者の実体験に基づいて執筆しています。税金・社会保険に関する詳細は、税理士等の専門家にご確認ください。

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